東京:03-3505-0055 大阪:06-6347-5511

白川 純 欧州列車旅行でのいざない

オーストリアアルプス横断の魅力 〜前編〜

白川 純

オーストリア国鉄のブルーデンツ〜インスブルック間にアールベルグ越えと称される峠があります。蛇行す る川と平行してオーストリアアルプスの谷間を快走する列車の中で、一日に一本だけ『トランスピン』と呼ばれるパノラマ列車が存在します。発着点はウィーン〜バーゼル間。途中、魅力的なオーストリアの美しい街に停車しながら、オーストリアとスイスを結ぶ主要路線となっています。

のんびりと楽しむ優雅な船旅

img ウィーンで芸術や音楽を堪能した後、モーツァルトゆかりのザルツブルクへ。『トランスピン』の魅力は後半 のインスブルック以降ですので、ここは船を利用してザルツブルクへ行くことにします。7時30分、ゆっくりと船着場(Reichsbrucke)を出航。雄大なドナウ河からウィーン市内を巡り、河畔 の美しい街並みを眺めながら目的地、デュルンシュタイン(Durnstein)で下船。4時間強の優雅な船旅です。このデュルンシュタインとは聞きなれない名かもしれませんが、ヴァッハウ渓谷 で最もロマンチックな街で、歴史的に もイギリスのリチャード獅子王がレオポルト公の怒りに触れ、この街の城に幽閉された(幽閉といってもワインを飲みながら余暇を楽しんだそうですが)という物語があります。実は、350年以上の前に建てられたそのデュルンシュタイン城が改築され、現在はホテル【シュロス・デュルンシュタイン】になっており、ドナウ河に面する素晴らしい眺望が楽しめ、是非とも宿泊してほしいホテルです。

パノラマ特急『トランスピン』で田園風景を満喫

img 翌日、デュルンシュタインの無人駅から出発。途中駅クレムス(Krems)で乗り換え、サンクトポルテン (Stpolten)に1時間で到着。サンクトポルテンの4番ホームで待つこと約10分、長い編成の国際特急が堂々と入線してきます。今まで乗車してきたローカル列車との格の違いがわかります。その長編成の中でも、1両だけひときわ目を引く大きな窓ガラスの真新しい車両があります。そう、これが国際特急『トランスピン』に連結しているパノラマ車両です。サンクトポルテンを出発後、僅か2時間強でザルツブルクに到着です。
ザルツブルクの美しい街に宿をと り、観光した後は次の街へ行くのではなく、もう一箇所寄り道します。鉄道ではいけない街、ザンクトフォルフヤング。ザルツブルクよりバスで50分、ザンクトフォルフヤング湖の湖畔の街、ザンクトギルゲンへ。ここから湖上船にてザンクトフォルフヤングに到着です。ここは映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台になった美しい街で、映画の中にも出てきた蒸気機関車(SL)が運行されています。
『シャーフベルグ鉄道』と呼ばれており、開業以来100年以上も運行を続けている登山鉄道です。標高1783メートルのシャフベルグシュピッツを目指します。そこからは11の湖、ダッハシュタイン、ホーエンタウエルンなどのオーストリアアルプスの大パノラマが・・・。
後編へ続く・・・
▼エッセイ トップに戻る