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白川 純 欧州列車旅行でのいざない

オーストリアアルプス横断の魅力 〜後編〜

白川 純

前編のシャーフベルグ鉄道の蒸気機関車(SL)の魅力に目覚めてしまった方は、もう二つのSLに乗車することをお勧めします。
翌日、9時45分にバスでザルツブルグへ出発。ザルツブルグ中央駅12時27分、2番ホームに『トランスピン』が入線。早速、予約していたパノラマ車両へ乗車。 次の宿泊地インスブルックまでの2時間の列車の旅を食堂車で楽しみながら過ごします。14時30分インスブルック中央駅4番ホームに入線。 到着後、王宮や凱旋門など古き建築があるインスブルック市内を観光。翌日ホテルに荷物を預 けたまま、日帰りでSLを見に出発!!

現役最古の機関車、アッヘンゼー鉄道

img SLが待っているのは、インスブルック駅の隣のイエンバッハ駅。駅の北側と南側と両方ともSLの駅があります。北側はアッヘンゼー鉄道。南側はチラタール鉄道。アッヘンゼー鉄道で使用されている蒸気機関車は2002年現在で定期運行されている機関車として現役 最古です。急勾配を運行するパワフルな鉄道です。エメラルド色に輝くアッヘン湖畔へ走るSLで、湖上遊覧船と組み合わせて、オーストリアアルプスを 満喫することができます。所要時間は登りが45分、降りが40分。一回の走行の消費石炭の量は330キログラム。年間約300トンに及びます。登山鉄道と同様、機関車が後ろから押し上げるスタイルをとっており、平坦なホームで見ると前つんのめりになっているように見えます。木製の客車内には通路がなく、車両の外側通路から切符をチェックするといった車外からの車内検札を行います。

牧草地帯を走るチラタール鉄道

一方、チラタール鉄道はアッヘンゼー鉄道 とは対照的にのどかな牧草地帯を走る生活路線です。一般の列車は通年運行されていますが、SLは4月から10月までの運行。SL牽引の列車は1日3往復の運行で、魅力的なのは地ビールが飲める食堂車を連結しているこ と。SLに牽引される食堂車は非常に珍しく片道約1時間20分ののんびりとしたほろ酔いの鉄道の旅が味わえます。車窓には彼方に見える山の斜面に広がった牧草地と点在する家々。その家という家が窓を花で飾り、チ ロルが溢れています。
img 翌日、今回の旅で何度か登場した『トランスピン』の最大の見せ場であるアールベルク 峠に向けて14時39分インスブルック中央駅から、スイスへ向かって出発。モダンなこのパノラマ車両は氷河急行などのパノラマ車両のような天井までガラス張りではありません が、それに近い窓の大きさになっています。 アルプスを横断するこの路線は山々の谷間を 川と共に列車が走り美しい車窓が広がります。途中の停車駅には魅力的な駅もあり、ブルーデンツ駅からモンタフォーナー鉄道がシュルンス村へ運行されており、更にロープウェイでホッホヨッホへ登ると360度のパノラマが望めます。そんなアールベルグ峠を越えるとお隣の国スイスのチューリッヒに18時27分に到着。ここからは、世界最高峰の山々が連なるスイスアルプスの世界が始まります・・・。
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