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2010年8月13日(金)〜9月1日(水)
ツアーコンダクター:小嶺 洋子
ジェニー・リンド島は、ビクトリア島の南東、クイーン・マウド湾に位置する直径20kmほどの小さな島。クィーン・マウド湾は、ノルウェーの探検家アムンゼンが1905年、ノルウェー王妃マウドの名前から名付けました。クィーン・マウド湾は、水鳥、海鳥の繁殖地です。ジェニー・リンド島は渡り鳥の保護区で、北米最大のガンの生息地でもあります。様々なガンが生息していますが、太平洋ガンと大西洋ガンが共存する稀な場所で、世界のヒメハクガンのほとんど(約5万羽)がここに生息していると言われています。
昨日のダニーの講義に引き続き、イッカクの専門家ピエールさんが私たちだけのための特別講義を行ってくださいました。ビデオを使った講義はとてもわかりやすかったですね。いろいろな質問もでて、とても充実した1時間でした。
ピエールさんのお話の中から・・・イッカクの寿命は40〜80歳。約8万頭が生息している。イヌイットのみ捕獲が許されており、イヌイットは皮、肉、脂肪、すべてを利用する。イッカクの牙は500〜2,000ドルで取引されており、イヌイットの人々には良い現金収入となっている。牙の重さは10〜15kg。イッカクの体重は約3トンあるので、牙はそれほど重く感じないはず。主にグリーンランド・イワナ、ヒラメを食べる。夏と秋にはタラも食べる。冬には水深1,000〜2,00mまでもぐる。これはイッカクに探知機を装着する実験を15年前から行い通年にわたる調査を行った結果で、数年前に初めて判ったこと。水深が深くなると暗いので何も見えず、超音波を出して獲物をとる際にはひっくり返って泳ぎ音波が跳ね返りやすいようにする。牙は主にオスに生えるがメスでも牙がある場合もある。また、まれに2本ある場合もある。牙は歯が伸びたもの。どのイッカクにも牙は2本あるのだが、通常は左の牙のみが伸びて右の牙は歯肉の中に20cm程埋もれている。伝説のユニコーン(一角獣)は、かつてヨーロッパから極地に渡ってきた船乗りが、イッカクの牙を高く売るためにつくった話といわれている。
★中間の請求書明細が各キャビンに配られました。